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お子さんはよく眠れていますか?

子どもの睡眠障害の怖さについて話すと、たいていのお母さんは微妙な表情でどこか他人事です。
子どものいびきを可愛いと思っている方もいるようです。
睡眠時間を確保できているから問題ないと思っているお母さん方も多いようです。

 

脳の発育が完了するのは、12歳頃です。脳は睡眠によって作られているといえます。
発育途中の子供の時期に、睡眠障害を放置しておけば、取り返しのつかない大問題に発展してしまう危険性があります。睡眠障害がもたらすお子さん特有の弊害は、すでにいくつも報告されています。
具体的には、集中力の低下、学習能力の低下、 キレやすいなど攻撃的行動、情緒不安定、意味もなく動き回る多動、知能の発達障害…など。お子さんに見られる睡眠障害の影響は全て、脳に関係した症状として現れます。

 

睡眠障害の影響

①脳の機能低下〜成績が上がらない〜
成人の場合、脳はすでに発育しているので、睡眠の最も重要な役割は、「脳を休ませること」です。これに対して、新生児や小児の脳は発育途上にあります。だから、睡眠の役割は、「脳を作り上げていく」ことです。言い換えれば、脳の発育が完了する12歳頃までは、よく眠る事は、知能を発達させる上で重要なのです。
睡眠が不足すると、脳が働きっぱなしなわけですから、次第に疲弊し、機能が低下していきます。特に、前頭葉と頭頂葉への影響は大きく、睡眠不足の人の脳を調べると、脳血流量が不足していることが確認されています。前頭葉と頭頂葉は「人間らしさ」に最も関わっている脳の部分です。人間らしく生きていくためには、前頭葉と頭頂葉の働きが必要です。極端な言い方をすれば、前頭葉と頭頂葉を十分に働かせるために、人間は「睡眠」というシステムを作り上げてきたようなものです それなのに、睡眠が不足していれば、人間らしさを失うということにもなりかねません。 特に、学習に関係する前頭連合野と呼ばれる領域(前頭葉の一部)は、短期記憶とも言って、数秒から数ヶ月程度の「最近の記憶」に関わるところです。また、注意力、集中力、認知、推理力、判断力、実行力、情動、動機付けなどの機能もつながっています。
睡眠が不足すると、まず前頭連合野の働きが低下します。注意力が散漫になったり、感情のコントロールがしにくくなったり、やる気が失われるなどの変化が現れます。また、記憶にも障害が現れてきます。
これまで学童を対象として行われたいずれの調査においても、睡眠不足は学業成績と密接に関係していることが確認されています。お子さんにとって、十分な睡眠による前頭連合野の活性が活性化が、学習能力を高めるために重要であることがわかります。
いびきと学業成績の関係を調べたいくつかの研究でも、いびきのある子供は、いびきのない子供に比べて、学業成績が悪いことが確認されています。特に6歳以下でいびきが見られた子供は、13〜14歳になってもその悪影響が続いていることから、小学校に入学するまでの慢性的な睡眠障害は、「脳自体の発育を阻害し、成長後もなお学習能力に悪影響与える続ける可能性がある」と言えるのです。

②ホルモンの分泌低下〜身長が伸びない〜
睡眠時無呼吸症候群などによる睡眠障害は、脳の機能を低下させ、発育も阻害します。これだけでも打撃が大きいのに、もう一つの問題は、ホルモンの分泌低下です。いくつかのホルモンの分泌は、視床下部や脳下垂体がコントロールしていて主に睡眠中に分泌されます。その代表的なものが、身長を伸ばしたり、怪我や筋肉の修復、疲労回復に重要な成長ホルモン、そして、夜中におしっこが作られるのを抑える後利尿ホルモン。これらはぐっすり眠ったときに分泌されるものなので、きちんと眠れていないと十分に分泌されないのです。よく眠れるようになれば、身長が急に伸びたと言う話はよく聞きます。成長ホルモンが正常に分泌されるようになったのでしょう。おねしょ問題だって、抗利尿ホルモンの分泌が低下しているために、もうおねしょをする年齢じゃないのに卒業できずにいるのかもしれません。

③運動が苦手
運動が苦手になる理由には、睡眠不足による脳の機能低下と、血液中の酸素濃度の低下の両方が関係していると考えられます。睡眠不足は、脳の前頭葉と頭頂葉の機能に大きな影響与えます。運動機能は、頭頂連合野(頭頂葉の一部)と密接に関係しています。そして、頭頂連合野は、体の感覚情報から空間の位置を把握したり、複雑な動作をしたりする働きを担っています。睡眠不足でこれらの部分の機能が低下すると、運動のために不可欠な、三次元での物体の上下や遠近の判断、視覚的な追跡等ができにくくなります。
口呼吸では、短期的には私たちの体が本来持っている効率的に酸素を体に取り込むための機能を十分に活用できません。いわば酸素の少ない高所で運動を強いられているようなものです。また長い目で見ると、胸郭の発育障害、呼吸筋の発達障害などにより、運動時に必要なパワフルな呼吸がしにくい体を作ってしまいます。

 

睡眠障害は子どもの一生を左右します。睡眠障害の影響は、現在だけでなく、将来にわたって続くのです。子どもの睡眠障害は、大人の場合よりも、体と心への弊害が大きいですから、もし鼻づまりがあるなら、何をおいてもその治療を最優先に行なうべきです。
まず試して欲しいのは鼻うがいです。
鼻うがいだけで鼻づまりが随分と改善されたお子さんはたくさんいらっしゃいます。
鼻づまりによる睡眠障害のお子さんには、サイナスリンスによる鼻うがいを強くお勧めします。


幼少期において、睡眠障害は、集中力や学習能力の低下、キレやすいなどの感情抑制能力の低下、注意欠如・多動性障害などを引き起こすこと。口呼吸がいびきや無呼吸などの睡眠障害を引き起こすこと。さらには口呼吸が顎の発育障害を引き起こすこと。
これらのことを認識していただきたいと思っています。

口呼吸が脳や身体の発育の及ぼす影響は、成人と比較にならないほど大きく、身体の成長を待ってから治療しても、起こってしまった発育障害を取り戻すことが困難です。
早期の睡眠障害や口呼吸改善への取り組みが子どもの将来のために必要です。
当院では、口腔育成による睡眠障害に対するアプローチを積極的に行なっております。
是非、相談していただければと思います。

2021年10月10日 更新

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