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表情が見えにくいマスク生活、子どもの発達に悪影響

コロナ禍でマスクを着用した生活が続いています。

顔の大部分がマスクで覆われ隠れる中、それが「言語の発達など子どもの成長の遅れにつながっているのでは?」と、懸念の声が上がっています。

 

高知市にある福井保育園では、保育士さん全員がマスクを着用していますが、0歳児のクラスで、マスクをしたまま子どもたちに離乳食を食べさせていたところ、食べ物をかまずに丸呑みする子どもが出てきたため、保育士さんが一時的にマスクを外し、もぐもぐと「かむ」お手本を見せたところ、子どもたちは口元の動きをまねて上手に食べられるようになったということです。


 

また、中々口元を見せることができず、子どもたちと信頼関係を築きにくいという声が保育士さんから相次いでいるようです。

例えば、「褒めても反応が薄い」とか「注意してもポカンとしている」、「言葉の習得が遅い」、「人見知りしなくなった」という声です。

 

完成された脳を持つ大人は、相手がマスクをしていても、表情や感情をある程度予測することができます。また、脳の機能がさらに大きく成長することはありません。
しかし、発展途上の脳を持つ子どもたちにとっては、大人と全く状況が変わります。

子どもはマスクで隠された顔から相手の表情を読み取ることができません。そのため「褒めても反応が薄い」ということが起こるのです。
顔の表情を読み取ったり、話をしたり、笑ったりすることは、子どもの脳の前頭前野を大いに刺激します。それらにより、子どもたちは他者を区別できるようになるのです。
「人見知りしなくなった」というのは、第一養育者と他者を区別できなくなったことの表れであるため、決して喜ばしいことではありません。

 

赤ちゃんが最も多く見つめているのは、第一養育者の顔です。
新しい生活様式では家庭内感染予防のため、家庭でもマスクの着用が推奨されていますが、赤ちゃんにとってマスクをしている保護者の顔からさまざまな情報を取得し、脳を成長・発育させることは至難の業です。
なかには、マスクをしたままの顔を本来の顔と認識してしまい、保護者がマスクを外すと顔が識別できなくなり、急に泣き出してしまう子どももいるようです。
このままでは子どもの前頭前野を含めた大脳皮質の健全な成長を見込めず、後天的に脳の発達障害を生み出す可能性もあります。

喜怒哀楽の”顔”を学ぶ赤ちゃん
生物としてのヒトの脳と心の発達を専門に研究している京都大学の明和政子教授は、特に生まれてから1歳くらいまでの時期の子どもとの接し方に注意が必要だと言います。
この時期の子どもは、いろいろな人の顔やその動きを見て、表情を学びます。そのとき重要なのが、目・鼻・口の3点です。

すべてが揃って、赤ちゃんは「これは顔だ」と理解するようになります。その後、数か月かけて、笑ったり、怒ったりといった喜怒哀楽の顔の区別を学習していきます。

こうして身につける「顔と表情を区別する能力」は、その後、「相手の気持ちを理解する能力」の土台となります。

明和教授 は、
「目だけで情報が通じ合うのは大人の世界です。子どもたちは表情のなかのたくさんの情報を使って、少しずつ、相手の表情、感情というものを理解していくわけです。そういった経験が今回のコロナ禍において一気に失われていく可能性が高いです。意識して”顔を見せる”ことが大切で、赤ちゃんが表情に触れる機会を増やしてほしい。家庭でも、家族がこれまで以上に表情を見せることを意識してほしい。」

と仰っています。

マスク生活による異変は、小学校でも起きているようです。ある小学校の休み時間に、1年生の教室で起こった友達同士のけんかです。

たまたま手がひっかかったことに「ごめんね」と謝ったものの、マスクをしていたためか相手に伝わらず、けんかに発展してしまったようです。ささいなトラブルはよくあるものの、いつもよりコミュニケーションに苦労する場面が増えたといいます。

“相手の視点に立って考える”小学生の脳
明和教授によると、4歳から10歳くらいの子どもの脳は、「相手の視点に立って考えること」を発達させる時期だといいます。コミュニケーションを通して、相手はどう思っているのか、自分はどのように振る舞ったらいいのかをイメージする能力が芽生えてきます。

子どもたちの成長は日々刻々と進んで待ったなしです。家族が積極的に表情や気持ちを伝え合う機会を作り、心の距離を近づけていくことが求められています。

 

そこで、食事の時間を利用することをお勧めします。家族で笑顔で会話しながら楽しく食べるのです。
さらに、前歯で引きちぎらなければならないくらい大きな食材やよく噛まないと飲み込めない食材や調理をして用意することで、一口噛むたびに、歯根膜から脳の前頭前野に刺激も伝わり、子どもの親の顔に対する認知度も上がるというわけです。

 

たくさん噛むと脳が刺激され血流が活発になり、その結果脳も活性化されます。

脳の中では前頭前野という部分や海馬を始め様々な部分が活性化されます。

このうち前頭前野は情報の統合力、判断力、集中力など、社会生活を営む上で大切な働きをつかさどる領域です。また海馬の活性化は記憶力アップにつながります。

 


前頭前野の発達が悪ければ、物事を計画し判断して行動することが難しくなります。

突然キレる子どもが増えていますが、これは前頭前野の発達が悪いか、機能が低下しているからだと考えられています。
他にも、噛むことにより脳内に緊張を和らげる物質が増えます。これにより気持ちが落ち着き、集中力や記憶力も高まります。


また、よく噛めば顔の筋肉が発達します。その結果、言葉がきれいに発音でき、顔の表情も豊かになります。

外出先では、中々マスクは外せませんので、家庭での食事の時間を大いに利用して、子どもの将来のために前頭前野を大いに刺激していただきたいと思います。

子どもたちは日々成長しています。

毎日の食事の時間を是非大切にしていただきたいと思います。

 

2022年04月24日 更新