厚生労働省認定 かかりつけ強化型診療所

きし歯科ファミリークリニックは
大分市賀来にある歯科医院です。

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糖尿病と歯周病〜肥満は万病の元

糖尿病は慢性高血糖が持続する病気ですが、放置すると種々の合併症が起こってきます。

このうち、網膜症、腎症(腎臓の病気)、神経症は三大合併症と呼ばれています。

この他、動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞、足壊死、最近では癌や認知症も合併症として考えられるようになっています。

 

歯周病も糖尿病に罹ると進行が進む合併症の一つです。
歯周病も動脈硬化などと同様、糖尿病になると進行が早まり、また歯周病の治療が終了してメインテナンスに入っても再発をきたしやすくなると考えられています。

糖尿病のコントロールの指標であるヘモグロビンA1c(HbA1c)がおおむね7%を超えるとそのリスクが高くなると考えられていますので、歯周病のリスク回避という観点からいうとHbA1cを7%以下にコントロールしておくことが肝要です。

 

 

誰でも年を重ねると代謝が落ちて太りやすくなるものですが、医学的に肥満はリスクの宝庫です。

なかでも、糖尿病は歯周病と同じように自覚症状がないまま進行する病気ですので、糖尿病の方だけでなく、糖尿病の自覚がない方でも、以前に比べてポッチャリ体型になったら、歯周病の治療をしっかりしておくことが、糖尿病予防のために極めて大切です。そもそも太る前から歯周病予防をしっかりしておくこと、太らないように食事内容に気をつけて適度な運動を行なうことももちろん大切です。

肥満になり脂肪組織が成熟すると、そこに免疫細胞が集積して脂肪組織で炎症が起きてきます。

また、脂肪細胞はインスリンに応答して血中の糖分を取り込み、中性脂肪として蓄積します。

つまり、歯周病による炎症が脂肪組織を含む全身に波及して、脂肪組織の炎症がより拡大した結果、アディポカインによってインスリン作用が阻害されると考えられます。
その意味からすると、仮に糖尿病との自覚がなくとも、ややポッチャリ体型の重度歯周病患者さんでは、隠れ糖尿病に罹っている可能性があります。
特に、われわれ日本人は生活様式の欧米化で体格指数が上昇してきましたが、太っても欧米型の肥満になることは稀で、多くはいわゆる「ポッチャリ型」の肥満です。その意味からすると、日本人は歯周病による影響を受けやすい人種であるとも言えます。

 

ライフスタイルが欧米化して栄養過多となり糖尿病が増加してきていますが、一方、85歳以上の男性の15.1%、女性の27.5%が低栄養傾向にあるとされています。

低栄養はフレイルなどの機能低下に関連するため、高齢者が増加し続けている日本において、こちらも重要な問題になってきています。
糖尿病の面からいえば、栄養状態が悪化すると脂肪組織は委縮してきますので、脂肪炎症に伴うインスリン作用の阻害については心配する必要がありません。
しかし、栄養状態は生体の抵抗力と密に関係します。栄養状態が悪化すると、免疫細胞のはたらきが弱まるので炎症は起きにくくなります。その半面、免疫機能が衰えることで感染にさらされやすくなります。高齢者で肺炎などの感染症が問題になるのは、生体の恒常性を維持するための炎症が起きなくなるためなのです。
高齢者では、抵抗力を保つために、可能な限り栄養状態を良好に維持することが望まれます。

高齢者の歯科医療は、審美性の回復よりも、機能の回復をより重視する必要があるのはそのためです。良好な栄養状態はフレイル(虚弱)予防にも寄与します。

栄養の経口摂取は糖尿病予防にもつながります!
高齢者で栄養を経口摂取する意義については多くの説があります。

8020財団のウェブサイトなどには「卑弥呼の歯がいーぜ」という標語で噛むことのさまざまな効能が紹介さ
れています。


栄養の経口摂取は、糖尿病予防の観点からも重要であることがわかってきました。

われわれの体は、食後血糖が上昇した際に膵臓がそれを認識して、血糖降下ホルモンであるインスリンを分泌すると考えられてきました。ところが、栄養の経口摂取で摂取栄養素が消化管で吸収される際、小腸の壁からインクレチンホルモンと呼ばれるホルモンが分泌され、これがいち早く膵臓に作用することで食後のインスリン分泌を促進していることがわかってきました。食後の高血糖の是正と、摂取エネルギーの効率的な取り込みに経口摂取がかかわっているということになります。したがってこの効果は栄養の経静脈摂取では発揮されません。
消化管ホルモン(インクレチンホルモン)によるインスリン分泌促進効果を、「インクレチン効果」と呼びますが、この効果は同じ経口摂取でもよりよく噛むことで増強されるという説もあるため、よく噛めるように高齢者の口腔機能を維持することが重要です。

 

歯周病の予防・治療は健康寿命の延伸に不可欠です。

日々の口腔ケアをしっかり行ない、食生活の見直しを図り、歯科医院でのプロケアを継続していただきたいと思います。

2022年05月08日 更新