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子どものむし歯予防にはご両親の口腔ケアも必要です!!

乳幼児の口腔細菌叢形成に両親の口腔細菌が深く影響します!

 

※口腔細菌叢=口腔環境に生息する細菌の集団。一般的に 500~700 種類の細菌で構成され、個人の体質・体調や、食生活・生活習慣の影響を受け、固有の集団を形成すると考えられています。腸や皮膚においては、この細菌の集団としての特徴が、生活習慣や疾患と関連していることが明らかにされつつあり、注目を集めています。

 

むし歯と歯周病は、いずれもプラークに潜む細菌が原因で起こり、最悪の場合、歯を失うことに繋がる疾患です。

むし歯や歯周病の予防・ 治療は、フッ素による歯質強化やプラークの除去、殺菌などの方法により行なわれてきました。一方で、近年の研究から、むし歯や歯周病に罹患している方の口腔細菌叢が、健康な人とは異なっていることが明らかにされつつあり、口腔細菌叢を整えることがむし歯や歯周病を制御するために重要だと考えられるようになってきました。

ライオン歯科衛生研究所は、乳幼児の口腔細菌叢がどのように形成されるかを、父母の口腔細菌叢や生活習慣から受ける影響と合わせて調べました。

乳幼児期の口腔細菌に関しては、「むし歯菌(Streptococcus mutans)が母親から子どもに感 染する」など母親と子どもの関係に着目した報告がいくつかあります。しかし、それらは特定の 細菌に関する研究結果であり、口腔細菌叢について調べたものではありません。また、父親の影響に関してはほとんど報告がありませんでした。

 

<口腔細菌叢の形成過程が初めて明らかに>
乳幼児の唾液中の菌種数の変化を調べた結果、生後 1 週間ですでに口腔内に数十種類の細菌が認められ、その後、生後 6 か月頃から急激に菌種が増加、菌叢が多様化することが分かりました。ただ、1 歳半の時点でも検出菌種は両親と比較すると有意に少なく、この時点での口腔細菌叢は、多様化の途中であると考えられました。

 

<父親の口腔細菌叢も母親と同様に子どもの口腔細菌叢に影響>
次に、親子間の口腔細菌の共有率を調べました。その結果、生後 1 歳半時点で、子どもと父親 (または母親)との共有率(父: 27.9%,母: 29.3%)は、他の子どもの父親(または母親)との 共有率(父: 22.6%,母: 23.0%)よりも有意に高いことが分かりました。また、この傾向は生後 1 週間という早い段階から認められ、その後親子間の共有率は成長とともに増加しました。父親との共有率と母親との共有率に有意な差はなかったことから、子どもの口腔細菌叢は、 父親と母親から同等の影響を受けていると考えられました。
また、夫婦間の口腔細菌の共有率も非夫婦間と比較して有意に高いことがわかりました。この結果は、遺伝的に離れた関係にあっても、共同生活を続けていると口腔細菌叢が似てくることを示唆しています。

 

 

<子どもの健全な口腔細菌叢の形成には両親のお口のケアが重要>
解析の結果、親子間の口腔細菌共有率が高かった家族と低かった家族各 15 組について、生活習慣のアンケート結果との関連性を解析しました。その結果、保育園に通っていない子どもは母親との共有率が高いことや、父親とのスキンシップの頻度が高い子どもほど父親との共有率が高いことなどが分かりました。これらのことから、口腔細菌共有の原因は、親子間のスキンシップの際の唾液の飛沫など、生活の中で自然と起こっている事象にあると考えられました。

♢研究結果のまとめ

・乳幼児の口腔細菌叢は、生後わずか1週間で数十種類の細菌が認められ、その後徐々に菌種が増加し、両親の持つ菌種の多様性に近づく。
・親子間では非親子間と比較して口腔細菌の共有率が有意に高い。

・子どもの口腔細菌叢は、母親だけでなく父親からも同等の影響を受ける。

乳幼児期の極めて早い段階からの口腔ケアが大事です!

親子間の口腔細菌共有率と関係がみられたスキンシップは、子どもの健やかな成長に欠かせません。

そのため、子どものむし歯や歯周病の予防には、子どもの早い段階からの口腔ケアだけでなく、子どもとスキンシップを図る方の口腔ケアも必要不可欠です!!

 

お子さんだけでなく、お子さんと関わるご家族の方もご来院下さい!!

 

2022年05月12日 更新

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