歯みがきで「脳」を発達させよう!!
箸や鉛筆を上手く使えない、ぞうきんを絞れない、靴のひもが結べないなど、手や指先の不器用な子どもが増えているようです。
「危ないから」とナイフ・包丁・ハサミ等を持たせない親も増えているようです。
積み木、粘土細工、折り紙、あやとりやおはじき、以前の子どもの遊びには手を使うものがたくさんありました。
しかし、現在はほとんどが自動化され、遊びも親指でボタンを押すだけのゲームが主流で、手や指先を使う機会が極端に減ってきています。
「手」の発達は「脳」の発達にも深く影響します。
遊びが変わってしまった現代、「脳」の発達のためにも、できるだけ早い時期からの『自分で歯みがき』をお勧めします。
早い時期から歯みがきによって手先を動かすことは、知能の発達にも繋がると考えています。
カナダの脳外科医のペンフィールドは、脳を電気刺激することで大脳のどの部分が体のどの部分に対応しているのか、さらに脳の各部分の対応領域の大きさまでも解き明かしました。
手と口(唇や舌)だけでほぼ半分を占めています。
これは、人間が物事を認識するにあたっては、手や唇からの感覚情報が非常に重視されるということを示しています。
手や唇は脳の多くの部分を使っているのです。
脳の働きを大きく占めている器官をうまく刺激すると、効率的に脳を活性化できるようになります。
特に、子どもが成長する時期に手や唇を動かすことは脳の発達にも良い影響を与えます。
小さい頃からできる、手や唇に関連する動きといえば歯みがきです。
親や兄弟が歯みがきしている姿を確認しながらする、つまり目もつかうので、歯みがきの動作をするには運動野の70%くらいを使わないとできないことが分かります。
字を書いたり絵を描いたり、指を動かしたりすることもそうですが、特に口にも関わる歯みがきの動作は、知能の発達にはすごく良いと考えられています。
手は「第二の脳」といわれるくらい、大脳皮質と密接につながっています。
指先を使った活動は、論理力などの知能や心の成長をも左右する基本的な能力を伸ばします。
子どもは、最初から器用に指先を使うことはできませんが、だんだんとそれが可能となっていきます。
ひも通しや折り紙、切り紙などの「遊び」を通じて、目から入った情報を頭で判断し、手を動かすという「目と手の協応」を促進していきます。
指先を器用に動かすことは幼児期に養い、身につけるべき大事な能力であり、それが運動能力のコントロールに関与する大脳皮質を刺激して、その能力を伸ばしていきます。
「目と手の協応」の促進・知能の発達という意味でも、できるだけ早い時期からお子さん自身での歯みがきに挑戦させていただきたいと思います。
2022年05月27日 更新