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知ってほしい!「オーラルフレイル」

オーラルフレイルとは、直訳すると、オーラルが「口腔」で、フレイルは「虚弱」という意味になります。

つまり、「口腔機能の虚弱」 ということで、口の中に些細な衰えが見えてくる状態を言います。


口腔機能とは?
①食べる
噛む、味を識別する、味わう、食べ物の中の危険物を発見する
②飲み込む
食べ物や飲み物を食道に送り込む
③息をする
呼吸をする、咳やくしゃみをする、あくびをする
④唾液の分泌

舌や口の動きをスムーズにする、食べ物の消化を助ける、口を清潔に保つ、細菌の増殖を防ぐ、口の粘膜を保護する
⑤コミュニケーション

会話をする、笑いや怒りの表情をつくる

 

以上のように、口腔機能には、単に食べ物を食べるだけでなく、様々な働きがあります。

オーラルフレイルが進むと、日々の生活にも不都合が生じ、そのまま放っておくと身体の衰弱や認知機能の低下にも繋がります。

オーラルフレイルかどうかのチェック項目。
①自分の歯が20本未満
②滑舌の低下
3噛む力が弱い
④舌の力が弱い
⑤半年前と比べて硬いものが噛みにくくなった
⑥お茶や汁物でむせることがある
この6項目のうち3つ以上が当てはまると、オーラルフレイルと判定されます。

オーラルフレイルによって死亡率が高くなることも分かっています。
オーラルフレイルと判定された人は、2年後には身体的な衰弱に陥りやすく、さらに4年後の要介護リスクや死亡リスクは2倍以上になるという調査研究があるのです。
オーラルフレイルの大きな問題点は、口の機能が衰えることによって、きちんと食事ができなくなることです。口から食べ物が食べられなくなったら、栄養を摂ることができません。そうなれば全身に栄養が行き渡らなくなり、筋肉などの衰えにもつながります。
要介護状態や寝たきりになる原因の多くは、脳梗塞などの脳血管疾患や心筋梗塞などの心疾患、骨折などですが、オーラルフレイルもまた要因のひとつだと言われています。以前は「老化は足腰から」と言われていましたが、実は「老化は口から」始まると言えるのです。

 

寝たきりを防ぐためにも「オーラルフレイルに気づくこと」が大切です。

近年、オーラルフレイルという概念は歯科医師の間でも認知されるようになってきましたが、元々は高齢者と健康に関しての研究がきっかけです。
その調査は、1992年から6年間にわたって秋田県南外村の65歳以上の高齢者748人を対象に行なわれたもので、病歴、入院歴、歯の本数、入れ歯の状態、咀嚼能力などについて健康状態を調べました。

その結果、約100人が寝たきり、あるいは準寝たきりになったのです。
寝たきりになった人とそうでない人を比べたところ、寝たきりになった人は「男性であること」「普通に歩いたときの速度が1秒間に1メートル歩けないほど遅いこと」「咀嚼能力が低いこと」の3つの要因に集約されました。

つまり、前者2つに加え、口の中の衰えが身体の衰弱につながるということが分かったのです。
その後、東京大学の飯島勝矢教授が行った大規模健康調査でも、それが裏付けられることになりました。
オーラルフレイルは、次のようなサイクルで進行することが分かっています。
①プレフレイル期:口腔ケアへの関心が低下し、歯周病やむし歯になり、歯を失ってしまう
②オーラルフレイル期:口腔機能が低下し、会話や食事に不具合が生じ、食欲も低下する
③サルコ・ロコモ期:咬合力や舌の筋力、食べる量の低下により、低栄養になる
④フレイル期:咀嚼ができなくなり、嚥下障害となり、要介護状態になってしまう
寝たきりにならないためには、プレフレイル期で歯周病やむし歯にならないように気をつけることが先決です。日々の口腔ケアを徹底することはもちろん、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることが大切です。
オーラルフレイル期になると、むせや滑舌の悪さ、飲み込みにくさなどの症状が現れますが、その前段階として口の中の乾燥が見られることがあります。そういう症状が現れたら、唾液腺マッサージで唾液の分泌を促したり、口腔保湿剤の使用もお勧めします。

 

 

2022年08月05日 更新

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