鼻呼吸は天然のマスク‼︎
哺乳類の基本は鼻呼吸です。
空気中には埃や花粉が浮遊していますし、目に見えないウイルスや化学物質などもたくさん含まれています。鼻で吸い込んだ空気は粘膜の表面に生えている繊毛と、そこを流れている粘液で綺麗に濾過され、空気中の異物を吸い込んでも、ほとんどが鼻水となって排出されます。
もし、この関門をうまく通り抜けた病原体があっても、口から咽頭にかけて発達している扁桃リンパ組織で捕まる仕組みになっています。
また、鼻から吸い込んだ空気は適度に温められながら加湿され、暖かく湿った空気が肺に送り込まれます。
これが、鼻呼吸は天然のマスクと言われる理由でしょう。
ところが口呼吸になると状況は一変します。
口から入った空気は、口腔内の水分を奪い取りながら、肺に達します。冷たく乾燥した空気をいきなり吸い込むことになるので、場合によっては喉や気管を痛める恐れがあります。
口呼吸は万病の元‼︎
口呼吸により起こる口の渇きは、歯周病やむし歯菌の繁殖が起こりやすくなるだけでなく、全身の免疫系に異常を起こすことが知られています。免疫力の低下により、風邪をひきやすくなることもありますし、アトピーや関節リウマチ、腎臓疾患、掌蹠膿疱症なども慢性炎症の一つで、口呼吸と関係があると言われるデータもあります。
マスク使用時の注意‼︎
マスクをすると息苦しいため、口が開きがちになります。
それにより、口呼吸が引き起こされ、口が乾燥する原因となっている可能性があります。
体を守るために使用しているマスクをすることにより、自分自身の抵抗力を弱めてしまっては本末転倒です。
患者さんに最近頻繁にお伝えしていますが、舌が正しい位置(スポット)にあれば、自然と鼻呼吸になります。
新型コロナウイルス感染症予防のためにも、「マスクを正しく装着し、(正しい舌の位置を意識して)鼻呼吸すること」を心掛けていただきたいと思います。
2020年11月23日 更新