ウイルス感染を重症化させないためには、免疫力を高めておくことが大切です。そのためには、咀嚼(噛む)機能を良好な状態に維持しておく必要があります。なぜなら、食べ物をしっかりと噛めないと、栄養バランスが糖分過剰に偏り、糖尿病の悪化や著しい免疫力低下を招いてしまうことがあるからです。しっかり噛めれば唾液の分泌量が増え、免疫力の助けになります。
ロイテリ菌は「ヒト由来の乳酸菌」です。唯一むし歯菌・歯周病菌に効果があると証明されている乳酸菌です。
ロイテリ菌は体内で唾液や口の中の糖分によって活性化され、中性脂肪をエサに「ロイテリン」という天然の抗生物質をつくることができます。これによって歯周病菌やプラーク(歯垢)の産生を抑制し、ピロリ菌の発育や動きを抑制してくれます。
腸内環境を整えてくれるのはもちろん、生きたまま腸まで届き、体の内側から抵抗力を高めて免疫を向上させてくれます。
適切な口腔ケアがなされずしっかり噛めないと、低栄養からウイルスに感染しやすくなり、死亡率が高まるリスクがあります。そのため、口の健康に問題のある方は、しっかりと噛める状態を維持するためにも、口の病気を放置せず、口腔ケアをきちんと受けることが大切です。
口の健康は全身の健康に大きく関わっています。口腔ケアで口の中を衛生的な状態にしておくことで、体の健康が改善され、ウイルス感染や重症化を防げる可能性が大いにあります。
口の問題を抱えておられる方、歯周病治療に取り組まれている方などは、放置、中断せずご相談いただきたいと思います。
新型コロナウイルスよる肺炎が重症化している方の多くは、ウイルス性肺炎と口内細菌に由来する細菌性肺炎を二重に引き起こしているといわれています。日ごろからきちんと口腔ケアをしておくことで、このような事態を回避できます。
新型コロナウイルスによるウイルス性肺炎を起こすと、人工呼吸器を装着しなければならないことがあります。人工呼吸器をつけると、口内細菌が肺に流れ込みやすくなるため、VAP(Ventilator-Associated Pneumonia=人工呼吸器関連肺炎)を発症しやすくなりますが、口腔内を清潔にしておくことでこのようなリスクも下げられます。
口腔ケアの基本は毎日の歯磨きですが、自分で行なう歯磨きの仕上がりには限界があります。より良い状態を保つためには、定期的な歯科医院での口腔ケアを受けたり、歯周病治療を継続したりするなど、口内細菌数を減らす努力をすることも大切です。コロナウイルス感染の、レセプターACE2は、舌の粘膜に豊富にあり、舌の清掃も重要です。
歯科医療の機能停止は公衆衛生学的スケールで低栄養を招き、新型コロナウイルスの重症化、死亡率の上昇に繋がる恐れがあります。